ブランドリペア転売は、中古のブランド品のダメージ箇所を補修して転売することで付加価値を生むため、高利益率な転売ジャンルです。
さらに、誰もが知っているようなブランド品を扱うため、基本的には回転率も高いのも魅力の1つ。
一方で、偽物(コピー品)を誤って仕入れてしまったり、最悪そのまま偽物と知らずに販売してしまう可能性もあります。
今回は
「ブランドものを仕入れて修理して売ることって違法にはならないの?」
「ブランドリペア転売で違法になる可能性があるなら、知っておきたい!」
「偽物と知らずに転売した場合でも逮捕とかあり得るの…?」
といった不安をお持ちの方向けに、現役でブランドリペア転売を行っている私が解説していきます。
ブランドリペア転売は違法なのか?
「ブランドリペア転売」と検索していたら
「ブランド品 リペア転売 違法」
「ブランドリペア 転売 違法」
といった検索キーワードが出てきてびっくりした方もいるのではないでしょうか?


「え!?違法なの?やっちゃいけないことなの…?」と心配になりますが、結論、「ブランド品を修理して売ること」自体は違法でもなんでもありません。
傷や故障部分を直して売るだけなので、何か悪いことをしているわけではありません。
ただ、「一定の条件によって、違法となる可能性がある」ので、そのパターンについて次からは見ていきます。
ブランドリペア転売が違法になる4パターン
「意図せず犯罪の片棒を担いでしまった」
「知らないうちに違法状態で商売をしていた…」
とならないために、しっかりと確認していきましょう。
①盗品など非正規ルートで仕入れて転売
誰かが盗んだ品物を仕入れて転売した場合、違法となります。
言うまでもありませんが、盗品はもともとの正規の所有者から違法に強奪したものであり、逮捕される事案です。
にわかには信じがたいですが、こうした犯罪が起こってしまっているのも事実です。

https://www.nishinippon.co.jp/item/n/879459/

https://www.asahi.com/articles/ASQ8J5KN1Q8HUTIL007.html
一般的な買い取り専門店の場合、コピー品かどうかの判別はついても、盗品かどうかを完全に見破ることは難しいと言われています。
当然、フリマアプリやネットオークションも盗品が出回っている可能性が0とは言い切れません。
「盗品」と分かりながら仕入れるのは論外ですが、「気付かぬうちに盗品を仕入れていた」ということがないように気を付けましょう。
怪しい出品者の見分け方については、後ほどご紹介していきます。
②偽物を本物として転売
偽物と知っていながら本物として転売すると、
- 商標権侵害
- 詐欺罪
両方の罪に問われます。
ネットオークションでブランド品を売買するときは要注意だ。
商標登録されたブランドの偽物を販売すると、商標法に抵触する恐れがある。
偽物であることを知りながら販売すれば、商標権を直接侵害する行為に当たり、10年以下の懲役もしくは1000万円以下の罰金、またはその両方を科せられる(商標法78条)。
相手に本物だと偽って販売すれば、詐欺罪になる(刑法246条)。詐欺罪の場合は、10年以下の懲役刑で、罰金刑はないから、より重い罪だ。
出典:偽物と知りながら転売したら懲役10年の刑罰もあり PRESIDENTオンライン
https://president.jp/articles/-/3639?page=1
偽物と知りながら本物として販売することは絶対に避けましょう。普通に犯罪です。
と、ここで
『本物だと信じて仕入れて、転売したら、実は偽物だったと発覚した』場合はどうなるの?
知らずに売ってしまったとしても、罪に問われるの?
と心配になりますよね?
知らない場合、故意(わざと)ではないという事情から罪には問われません。
しかし、知らなかった場合でも、偽物を本物だとして販売している実績が複数あるのであれば、「故意」と認定され有罪になり得ます。
偽物と知らずに販売した場合は、故意ではないため罪には問われない。
しかし、出品回数や点数によっては、故意だと認定されかねない。
出典:偽物と知りながら転売したら懲役10年の刑罰もあり PRESIDENTオンライン
https://president.jp/articles/-/3639?page=1
③大幅な改造・何かを付加して転売する
- 原型をとどめないような改造
- もともとは付されていなかった装飾を付ける
行為を行うと、商標権侵害になる可能性が出てきます。
「リペアはどういう扱いなの?」と心配になるところですが、革や布地をクリーニングしたり、擦れ傷を補修したり、リカラーする程度であれば問題ないとされています。
④古物商許可がない
ブランド品に限らず、中古品を仕入れ目的で購入し転売する場合、古物商許可が必要になります。
ブランドリペア転売は、中古のブランド物を仕入れて修理した後販売するビジネスモデル。
中古品を扱う以上、古物商許可が必須。この免許なくして転売していると違法状態になるわけですね。
ブランドリペア転売で違法性なく、法律遵守で行うために
営業許可証、古物商許可がある販売店から購入
店舗系からの仕入れを検討している場合は、
- 営業許可証があるか?
- 古物商許可を取得しているか?
- 法人登記されているか?
をチェックしてみましょう。
ハードオフ、トレジャーファクトリー、大黒屋といった買取も行っているリサイクルショップの場合、買取時点で鑑定されているはずなので偽物をつかまされる確率は低いです。
購入時期・店舗が分かっているor保証書がある商品を仕入れる
- 購入時期や店舗が明記されている商品
- 保証書やギャランティカードが掲載されている商品
を仕入れると安心です。
逆に、
- 「誰かからもらったプレゼント」と記載がある
- 正規品かどうか?や購入時期/店舗について質問した際に回答がない
- 出品者の評価がない/悪い
- 似たような商品ばかり販売している
場合は要注意。
フリマアプリやネットオークションで仕入れる場合には、過去の取引やレビューなど出品者に関する情報もチェックしたいところです。
コピー品に関する知識を学ぶ
コピー品にもAからNランクまで存在します。
ランク | 特徴 | 見極め難易度 |
A | 材質が悪い 人工皮革を私用 | 縫製や加工技術が悪くすぐに分かる |
B | 革は時間と共に劣化し、本物との差が顕著 | パッと見ではわからないものの、細部に粗が目立つ |
C | 高級な素材が使われ、コピー品のなかでは精度が高い | 刻印や金属部分など細かく観察していくと偽物と判断できる |
D | ブランドと同等の材質を用いており作りも極めて精巧 | 素人には判断が難しく、ブランド正規品、コピー品を何度も目にして真贋力を養う必要あり |
最近では、Nランクのいわゆるスーパーコピー品が増え、コピー品自体の技術も向上しているため非常に厄介です。
とはいえ、本物でない以上どこかに差はあるので、その”差”がどこなのか、絶えず知識を入れていきたいところ。
具体的には
- 刻印の入り方
- ファスナーやスナップボタンの形状
- 革の質感
- シリアル番号の字体、書体
- スタッグや鋲の金具部分の色合い、形状
- 縫い目の均一・均等性
- 糸の色や風合い
など差が生じるポイントは複数あります。
定期的にSNSやネットで情報を収集するのもおすすめです。
もっとも、コピー品の多くは新品です。
中古だったとしてもリペアが必要になるほどではなく、見た目も綺麗な商品がほとんど。
ブランドリペア転売を行う場合、通常は中古品かつダメージもあるブランド品を扱うため、極端にコピー品におびえる必要はありません。
1. 商品画像が異様にキレイ
2. 出品者の評価がないor少ない・悪い
3. 類似商品を5点以上出品している
4. 目立ったダメージもないのに極端に安い
上記4ついずれにも当てはまらないことを確認する程度でもOKです。
古物商許可を取る
古物商の許可は、ブランドリペア転売はもちろん、中古品を転売するにあたって必要な資格。
警察署へ申請し、約1か月半程度の審査期間を経て交付されます。
特別な資格試験をパスする必要はありません。前科などなく普通に生活してきたならば、受けられる免許です。
申請にあたっては、添付書類の用意、申請書への記入などやや面倒ではあるものの自分でできないこともありません。
どうしても事務作業が苦手、時間がないという方は行政書士に依頼するのもありです。
※コンサル生には、古物商許可の具体的なステップを解説、フォローも行っております。
コンサルについて詳しくはこちら

補足:出品時の商品紹介は丁寧に
直接的に、違法合法に関わるわけではありませんが、最低限のマナーとして出品時の商品紹介は偽りなく丁寧に行うようにしましょう。トラブル防止にもなります。
主な注意すべきポイント
- 他のプラットフォームにも出品しているため、急な出品取り下げもあること
- 付属品の有無(ブランドの紙袋や保存用保護袋など)
- ダメージの有無と具体的な箇所を写真と文章両方で明示
リペア、リカラーによってほとんどがキレイになりますが、一部どうしても補修しきれない箇所も発生します。
その際に、全く触れない、記載しないというのは不誠実。
掲載し、納得してもらった上で購入してもらうほうが、返品や悪い評価につながるといったトラブルも避けられます。
ブランド転売の販路として使用頻度の高いメルカリ。メルカリ出品に関する注意点をまとめています↓

まとめ:ブランドリペア転売が違法になるパターンを知って合法・安全に商売しよう
今回は、ブランドリペア転売が違法になるパターンについて見てきました。
意図せずとも、「違法」状態で転売ビジネスをしてしまうケースはあります。
違法になる4パターンを再確認!
- 盗品を仕入れて転売
- 偽物を本物として転売
- 原型をとどめないような改造・勝手に装飾品を付加して転売
- 古物商許可を取得せずに中古ブランド品を仕入れて転売
「知らなかった」としても、自分が被害者になるだけでなく加害者にもなり得るため、仕入れをする際には、出どころがしっかりしている商品を選ぶようにしましょう。
出品されている商品そのものだけでなく、過去の取引履歴、レビュー評価といった出品者自身に関する情報もリサーチしておくと間違いは防げるはずです。